「イオン注入の光学的効果」

−基礎光物性から光導波路・ナノ粒子まで−
(原書増補版)

P.D.タウンゼント,P.J.チャンドラー,L.チョウ 著   雨倉 宏  訳(著)

ホーム
出版
古書



目次


  イオン注入法の概要

  イオン飛程,損傷分布,スパッタリング

  光吸収

  ルミネッセンス

  イオン注入光導波路の基礎と評価法

  イオン注入光導波路の実際

  イオン注入光導波路の応用

  原書に対する補足

  

絶縁体へのイオン注入の研究で有名な英国Sussex大学のP.D.Townsend教授らによる名著「Optical Effects of Ion Implantation」を翻訳したものであり,原著出版後の発展について補うために新しく一章を加えた増補版である.
 本書の対象は主に絶縁体やガラスへのイオン注入効果であり,後半ではその応用としてイオン注入による光導波路形成,そしてナノ粒子形成について紹介する.本書の構成は,第1章において対象を絶縁体に絞らずにイオン注入一般に関して簡単にまとめる.第2章では基本的な固体とイオンビームの相互作用(イオン飛程,照射損傷,非晶質化,スパッタリング,チャネリング,計算機シミュレーションなど)を概観する.第3章と第4章では光吸収,ルミネッセンスといった基礎的光学過程へのイオン注入の影響を解説する.サファイア,アルカリハライド,シリカ,LiNbO3,CaF2などのさまざまな例を引用し,背景にある共通の物理と現象の多様性について議論する.また,その場測定の重要性が強調される.第5章では光導波路に関する理論と解析方法を簡単にまとめる.第6章ではイオン注入による平板型光導波路形成について解説し,石英,ニオブ酸化物,BGO,レーザー用ガーネット,光非線形材料,ガラスなどに応用した結果について紹介する.現象の多様性と応用の可能性は驚愕に値する.第7章ではそれらの応用として,光導波路レーザー,二倍波発生などについて解説する.
 そして増補した最終章で原著出版後の主要な発展としてイオン注入による絶縁体やガラス中でのナノ粒子形成を中心に紹介する.本書はイオン注入に関心のある学生,研究者,技術者にとって待望の書と言えよう.                     

ISBN 978-4-8427-0320-6

品切