ソフトマターとは,高分子,液晶,コロイド,両親媒性分子,生体物質などの柔らかい物質群に対する総称である.これらの物質を研究対象とする学問は,物性物理学の新しい展開や,非線型・非平衡科学からの興味により,急速に発展しつつある.本書はスケーリングなどの考え方を中心にして,ソフトマター全般について物理学の立場から統一的に網羅した教科書である.統計力学の復習から始めて,高分子鎖の統計,高分子溶液の物性,コロイド系の相互作用や凝集,界面や濡れ,界面活性剤やエマルションなどの題材を扱う.原著はソフトマター物理学の発展に大きく貢献してきたウィッテン教授とピンカス教授による執筆で,シカゴ大学におけるソフトマターの講義の教科書でもある.
物理,化学,物理化学,化学工学,生物物理,物質科学などを専門とする学部3,4年から大学院以上の学生などを対象とする. |