現代の量子力学(上)
第3版

J.J.Sakurai著,Jim Napolitano 編著   桜井明夫 ・常次宏一 訳

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古書

  1. 目次
    1. 第3版序文
      追悼
      初版序文
      日本語初版序文
      第1 章基礎概念
       1.1 シュテルン-ゲルラッハの実験
       1.2 ケット, ブラと演算子
       1.3 基底ケットと行列表現
       1.4 測定, 観測可能量および不確定性関係
       1.5 基底の変更
       1.6 位置, 運動量と平行移動
       1.7 位置および運動量空間における波動関数
       問題
      第2章量子ダイナミックス
       2.1 時間発展とシュレーディンガー方程式
       2.2 シュレーディンガー表示とハイゼンベルク表示
       2.3 調和振動子
       2.4 シュレーディンガーの波動方程式
       2.5 シュレーディンガーの波動方程式の初等的な解
       2.6 プロパゲーターとファインマンの経路積分
       2.7 ポテンシャルとゲージ変換
       問題
      第3 章角運動量の理論
       3.1 回転と角運動量の交換関係
       3.2 スピン1/2の系と有限回転
       3.3 SO(3), SU(2) およびオイラーの回転
       3.4 密度演算子と純粋ならびに混合アンサンブル
       3.5 角運動量の固有値と固有状態
       3.6 軌道角運動量
       3.7 中心力ポテンシャルの場合のシュレーディンガー方程式
       3.8 角運動量の合成
       3.9 角運動量を表すシュウィンガーの振動子モデル
       3.10 スピン相関の測定とベルの不等式
       3.11 テンソル演算子
       問題
      付録A 電磁気の単位
      付録B シュレーディンガーの波動方程式の基本的解
      付録C 電磁場中の電荷のハミルトニアン
      付録D 角運動量の合成則(3.358) の証明
      付録E クレブシュ-ゴルダン係数の見つけ方
      文献

 1985年の初版刊行以来、本書は量子力学の核心を現代的視点から生き生きと記述する書として広く世界に受け入れられてきた。本書では量子力学が、歴史的発展の後を追わず直接自然界の基本的要請から論理的に構成されていく。
 上巻では、量子力学の基礎概念、ダイナミックス、角運動量の理論が詳細に述べられるが、その中にはゲージ変換、経路積分、アインシュタインの局所原理など重要な項目も含まれている。そして近年の技術によって可能になった、中性子干渉、ニュートリノ振動、ベルの不等式の検証実験なども具体的に紹介される。
 この第3版では共著者となったナポリターノの手で密度汎関数の節が追加され、また相対論的量子力学への更に踏み込んだ展開もされた(下巻)。実験家で教育経験のあるナポリターノは、取り上げる項目を講義を念頭にして多くし章末問題もかなり追加して本書の教科書的色彩を強くした。一方訳書では共訳者が加わり、丁寧な訳注で本書を読みやすく正確なものにしている。


ISBN 978-4-8427-0376-3【物理学叢書112】

定価6,050円(本体価格 5,500円+消費税10% 550円)