叔母のリーゼ・マイトナーと共にウランの核分裂の発見に加わり、フリッシュ−パイエルスのメモでその連鎖反応が兵器に繋がる可能性を示し、その帰結として原爆実験を見届けた物理学者の物語。著者は誰にも真似のできない物理実験をやってのける一方で、ヒトラーの人種法による難民となっても、音楽とユーモアを忘れない。また、本書はボーア、パウリ、オッペンハイマー、フェルミら、物理学の偉人たちの鮮やかな人物画にもなっている。