「固体物理学(上)」

G.Grosso,G.P.Parravicini 著   安食博志  訳
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  • 目次


    • 1次元周期ポテンシャル中の電子
    • 結晶の幾何学的な記述:結晶格子と逆格子
    • ゾンマーフェルトによる金属の自由電子理論
    • 1電子近似と近時を越えて
    • 結晶のバンド理論
    • いくつかの結晶の電子的性質

     本書は,著者らの豊富な経験に基づいて独自の視点から再構成した,固体物理学の新しいタイプの教科書である.対象としているのは学部学生や大学院生であるが,高度な内容やトピックス(密度汎関数法,バンド理論,ヤーン-テラー効果,ベリーの位相,近藤効果など)が含まれているにもかかわらず,初等的な電磁気学,波動力学,量子力学の知識だけで十分読みこなすことができる.教育的な観点から,固体物理学の重要な概念や考え方が理論的かつ明瞭に説明されていて,その数学的手法も初等的なレベルから段階を踏んでいる.理論的な説明だけでなく,それに対応した実験による測定値やグラフもバランスよく載せられている.また,本文中や各章末に豊富な参考文献(教科書,総説,論文)が紹介されていて,さらに詳しく調べようとするときに非常に役に立つ.その意味で,本書は研究者にも有用である.
     第1章では,固体物理学で重要なブロッホの定理とエネルギーバンドの考え方が,数学的に簡単な1次元系で説明されている.エネルギーバンドの形成メカニズムは「量子トンネリング」,「強束縛近似」,「ほとんど自由な電子の近似」の3つの異なる観点から説明されているので,初学者がエネルギーバンドを理解するうえで非常に教育的である.第2章では,3次元的な結晶格子と逆格子,ブリルアンゾーンや周期ポテンシャルの効果が説明されている.第3章で金属の自由電子理論が述べられている.第4章では多電子系の1電子近 似であるハートリー-フォック近似が詳しく説明され,1電子近似を越えた密度汎関数理論について概説されている.第5章でバンド計算の様々な手法が説明され,第6章では希ガス固体,イオン結晶,共有結合半導体,金属の電子構造 について実験事実だけでなく,理論的にも詳しく解説されている.                     

    ISBN 978-4-8427-0319-0

    定価 (本体4,600円+税)

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